IQが20違わなくても会話が成立しないことがある

IQが20違うと会話が成立しないという説があります。

IQの平均は100です。平均からわずかに外れた、IQが90と110の人間では会話が成立しないということになります。よっぽど差があるならともかく、この程度で会話が成立しないというのは考えにくいですね。

しかし、実際は特にIQが高いわけでも低いわけでもない人間同士で話が噛み合わない場合があります。特別に難解なことを話しているわけではなくても、こういった事態が起きます。一方は相手が意味不明なことを言っていると感じ、もう一方は相手が自分の言うことが通じないと感じます。そうなると、お互いに意思の疎通が困難になります。

なせそんな事態が起きるのでしょうか。

 

抽象度に差があると会話が成立しない

会話が成立しない原因の一つは「抽象度」に差があることです。

抽象度は想像力のようなものです。同じものを見ても、抽象度の違いにより見方や捉え方が違ってきます。

 

抽象度の例

猫がいます。

猫の抽象度を少し上げると、猫はネコ科の動物になります。

虎やライオンはネコ科の動物です。猫は虎やライオンと同種の生物だとわかります。

さらに抽象度を上げると、猫は哺乳類になります。人間も哺乳類なので、猫と人間は同じ種類の動物になります。

さらに抽象度を上げると、猫は脊椎動物になります。猫も人間もトカゲや魚と同種の生物になります。

極端に抽象度を上げると、猫は原子や素粒子の集合体になります。

 

木を見て森を見ず」ということわざがあります。

物事の一部にとらわれて、全体を見ていないという意味です。これは抽象度が低い状態を表しています。

抽象度が低いと物事の一部や表面的なことにとらわれがちになります。そのため、抽象度に差があると話が通じづらくなるのです。

 

抽象度が低いと損をする

抽象度が低いと、目先のことだけに注目しがちです。

例えば、あなたの職場に営業マンがやってきます。

抽象度が低い人は、我が社には関係ないと考えて営業マンに失礼な態度で接します。しかし、その営業マンの会社があなたの会社の顧客になる可能性をまったく無視しています。目先のことだけを考えているからです。

場合によっては、その営業マンがあなたの会社の悪評を振りまくかもしれません。抽象度が低いとそういったリスクに考えが至りません。

目先のことにとらわれて結果的に損をしてしまうのです。

 

抽象度が高いメリット

抽象度が高いことにはメリットがあります。「一を聞いて十を知る」ができる人は抽象度が高い傾向があります。

物事の本質に気づくことができるため、わずかな情報からでも多くのことを学び取ることができます。

アイザック・ニュートンは、りんごが落ちる様子を見て「万有引力の法則」を考えつきました。

常人だったら、ただりんごが落ちたという事実に気づくのみです。しかし、ニュートンの抽象度では万有引力の法則に至ることができました。

 

常に抽象度が高ければいいというわけではない

抽象度が高いことは多くの利点があります。しかし、いいことばかりではありません。抽象度が高いと物事についてのイメージが曖昧になります。

相手が猫の話をしたいのに、あなたが哺乳類の話を始めたら噛み合いませんね。

常に抽象度が高い話し方をしていると、分かりづらいことばかりを話す独りよがりな人間だと判断されます。当人は分かっていることでも他人は分かっているとは限りません。状況に応じて使い分ける必要があります。