ネットの通信速度が遅かった時代はデータを圧縮してよりコンパクトにすることが重要でした。かつてのインターネットはスマホの通信制限がかかった状態のような通信速度だったのです。やりとりするファイルのサイズは少しでも小さくする必要がありました。
ファイルの圧縮はアーカイブ化と同じ意味で使われています。圧縮とアーカイブが兼ねているからです。ネットが高速化した現在ではファイルサイズはそれほど重要ではなくなりつつあります。しかし圧縮が不要になったわけではありません。
アーカイブ化のメリットは圧縮だけではありません。アーカイブ化してファイルをひとまとめにすることで、何十、何百もあるファイルのうちひとつが足りないといった事態を防ぐことができます。
ZIPは時代遅れ?
ZIPは世界的に使用されています。Windowsにも標準で機能が搭載されているため簡単に使うことができます。しかしZIPは時代遅れになりつつありました。
コンピューターの高性能化に伴い扱うデータの容量も増えました。肥大化したファイルをアーカイブするときにネックになるのが容量です。ZIPはアーカイブのサイズに2ギガバイトの制限があります。昔ならこのサイズでも十分でした。しかし大容量化が進んだ現在では不足しがちです。
ZIP64で制限が撤廃された
ZIPは4ギガバイトを超えるサイズのファイルを扱うことができません。また、アーカイブしたZIPファイルのサイズは2ギガバイトが上限になります。
しかしこれはずっと以前の話です。最新のソフトは新しい規格の「ZIP64」に対応しつつあり制限をクリアしています。WindowsではVISTA以降でZIP64に対応しています。
残念ながら現在すべてのソフトがZIP64に対応しているわけではありません。さらにZIP64に未対応の古いバージョンのソフトが使われていることもあります。多くのユーザーはZIP64のこと知らずにソフトを使用しています。現状は新旧の規格が混在している状況です。これがトラブルを招く原因になります。
大容量に適した7z
7zはあまり聞き慣れないファイル形式かと思います。見たことはあってもなんのファイルかわからないという人もいます。あまり一般的ではないので仕方がありません。
7zはZIPに比べて大容量を扱うことができるフォーマットです。ZIP64の登場により影は薄くなりましたが、依然としてコンピューターが大容量化した時代に適したフォーマットといえます。
7zが優れているのはは非常に高い圧縮率を誇ることです。本来は圧縮しづらいjpeg形式の画像でも最大80%程度まで圧縮が可能です。ちなみにzipの場合は98%程度です。処理に時間がかかりますがアーカイブをよりコンパクトにしたいという場合におすすめです。
ZIPと7zの比較
7zとZIP64は実質無制限といえるサイズのアーカイブを扱うことができます。16エクサバイトとは2テラバイトのHDDが800万個分に相当します。非常に膨大な容量です。
パスワードの付加やアーカイブの分割はZIP、7zどちらも可能です。対応したソフトでできます。
ZIP以外にはrarが人気
ZIP以外のアーカイブ形式で世界的に普及しているのがRARです。WinRARで圧縮が可能です。シェアウェアですが高機能なため人気があります。解凍のみならフリーウェアでも可能です。
RARの一番の特徴はリカバリレコードを付加できることです。この機能によりファイルにエラーが出た場合でも修復が可能になります。より高い信頼性を求めるならRARを使ってみるのもいいかもしれません。
おわりに
圧縮規格には様々な種類があります。ZIPばかりではなく他の圧縮形式を利用して効率よくファイルの管理をしてみるといいかもしれません。