バックアップにUSBメモリが勧められない理由

データのバックアップはなにを使っていますか?

USBメモリを使用しているという人が多いのではないでしょうか。

パソコンでも光学ドライブが未搭載の機種が増えてきました。手軽に使える大容量メディアはUSBメモリくらいになりつつあります。スマホやタブレットで使うならなおさらです。

しかしデータを保存するメディアとしてUSBメモリを使用するのは注意が必要です。

USBメモリへデータをバックアップするのは危険

USBメモリを利用していて「データが消えた」「データが破損した」というトラブルは珍しくありません。USBメモリだけではなく「SDカード」も同様です。

コンパクトで大容量という利便性の高いメディアですが残念ながら信頼性はそれほど高くはありません。

USBメモリの性質を知ることで不要なトラブルを回避できるようになります。



低価格なUSBメモリは3年でデータが消える

USBメモリやSDカードには「フラッシュメモリ」が使用されています。フラッシュメモリは不揮発性メモリと呼ばれデータ保持のために電気を供給し続ける必要がありません。

しかしデータ自体は電気を使用して記録されています。時間経過とともにデータを保持するための電気が失われていき限界に達するとデータが読み取り不能になります。

永久にデータを保持できるわけではありません。

現在普及している廉価なフラッシュメモリで10年や20年もデータを保存することは不可能です。

フラッシュメモリのデータ保持期間

フラッシュメモリは種類によってデータ保持期間が変わってきます。

種類 データ保持期間
SLC (Single Level Cell) 10年
MLC (Multi Level Cell) 5年
TLC (Triple Level Cell) 3年

一般的なUSBメモリに使用されているフラッシュメモリは「TLC」と「MLC」の2種類です。

低価格なUSBメモリには「TLC」が使用されています。そのためデータ保持期間は「3年」が目安です。使用環境によっては3年より短期間でデータが消失することもあります。特に「高温環境下」ではフラッシュメモリのデータ保持能力が下がります。

データをUSBメモリに保存しておけば安心ということはありません。むしろデータが破損したり消失のリスクを考える必要があります。

USBメモリはなるべくMLCタイプを使おう

USBメモリは長期のデータ保存には適しません。スマホの画像や動画を保存しておくのは破損や消失の危険があります。それでも「3年」程度なら可能です。

なるべくなら「MLC」搭載のUSBメモリを使用することをすすめます。MLCなら「5年」程度はデータを保持することができます。数年おきに他のメディアへバックアップを行えばデータの消失を避けられます。

MLCのUSBメモリは価格が割高になりますが大事なデータを消失することに比べれば安いものです。



長期間USBメモリに保存するならSLC

USBメモリに長期間データを保管しなければならないということがあるかもしれません。その場合は「SLC」がおすすめです。

SLCなら「10年」程度はデータを保持することができます。容量が少ないうえに高額ですが信頼性は上がります。

SLCモードのフラッシュメモリ

トランセンドには一風変わった製品があります。「SLCモード」と呼ばれる記録メディアです。

SLCモードはTLCのフラッシュメモリをSLCとして動作させています。本来ならTLCとして量産した製品をSLCの製品に転用しているのです。これにより低コストでSLCのメディアを製造することができます。

現在は「SDカード」と「M.2 SSD」が販売されています。Amazonで購入できます。

比較的安値でSLCのメディアを使用したいときはトランセンドの「SLCモード」の製品を購入してみるといいかもしれません。現在のところUSBメモリはないようです。

おわりに

USBメモリは便利ですがデータ消失のトラブルが多いメディアです。トラブルを避けるためには利用者が自衛する必要があります。

まずは信頼性の高いメディアを使いましょう。安いからといってTLCタイプを使用するのはおすすめできません。割高になりますがMLCタイプを選びましょう。

大事な画像や動画を失うリスクを避けることができます。