ブラックホールという名前は知っていても、なんだかよくわからないという人は多いのではないでしょうか。宇宙空間に存在する穴だと考えている人もいるようです。
ブラックホールを一言で説明すると星です。
SFに登場するような未知の現象ではなく、地球や太陽と同様に宇宙に存在する天体です。ただし、非常に高密度で高重力です。
非常に高重力なため、ブラックホールに落ちていった物質が再び出てくることはありません。
光も脱出不可能なため、電磁波や可視光での観測は不可能です。もし望遠鏡で直接ブラックホールを観測しようとしても、漆黒の宇宙空間が見えるだけです。
銀河系の中心にも重力源として大質量のブラックホールが存在すると予想されています。
ブラックホールはなぜできるのか
太陽のような自ら輝いている星を恒星といいます。質量の大きい恒星の核融合が進むと超新星爆発を起こします。その際に中心部が高密度に圧縮されます。
太陽の30倍以上の質量の恒星が超新星爆発を起こすとブラックホールになります。
近い将来にベテルギウスが超新星爆発を起こすと言われています。ベテルギウスは質量が太陽の20倍程度なので、ブラックホールにはならずに中性子星になると予想されています。
観測できないものをどうやって見つけるのか
ブラックホールは見えないため直接観測はできません。しかし重力があるため間接的に存在を確認することができます。
天体が見えないものに引っ張られて回っていれば、そこにブラックホールの存在が予想されます。そのひとつが「はくちょう座X-1」です。
重力は空間を曲げます。これはアインシュタインが相対性理論で予言し、後に観測により証明されました。ブラックホールの周囲を通った光が曲がっているのが観測されたら、そこに重力元があることがわかります。
ホワイトホールを通ってブラックホールから脱出できるのか
スペースゴジラは誕生しない
映画「ゴジラvsスペースゴジラ」では、スペースゴジラはホワイトホールから誕生しました。
ホワイトホールの存在は学者の間でも意見が別れているようです。
もしホワイトホールが存在しているとしても、生物がブラックホールから脱出することは困難です。
なぜなら、ブラックホールに近づくと物質は高重力により潮汐力で粉砕されるからです。さらにブラックホールの内部では素粒子レベルで粉々になります。G細胞でさえ原型をとどめておくことは不可能です。
ホワイトホールから脱出できたとしても素粒子の状態になっているのです。そこからスペースゴジラが誕生するのはまず無理でしょう。