やってはいけないデータバックアップ方法




パソコンで作成したデータをドライブに入れっぱなしという人は多いのではないでしょうか。スマホで撮影した動画や写真もストレージに入れっぱなしにしている人が大半です。しかしこれは危険です。

保存されているデータはいつ消失するかわかりません。機器の故障だけではなく人為的なミスで失われる場合もあります。

データが消失して後悔しないためには、何らかの手段でバックアップをする必要があります。

しかし、いざバックアップをしようとして、なにを使えばいいのかわからないという人が多いのではないでしょうか。よくわからずに不適切な手段でバックアップを行っているかもしれません。

USBメモリにバックアップは危険

とりあえずUSBメモリやSDカードにデータをバックアップしているという人がいます。

USBメモリは大容量化が進み、価格も低価格になっています。小型なため携帯性に優れています。非常に使い勝手の良いデバイスです。

便利な一方でUSBメモリには弱点があります。USBメモリに使用されているフラッシュメモリにはデータを保持していられる期限があるのです。

フラッシュメモリは電気でデータを保持しています。不揮発性メモリと呼ばれていますが、実際は時間経過とともに電気が失われていき、最終的にはデータが消えます。

種類 価格 データ保持期間
SLC 10年
MLC 5年
TLC 3年

MLCやTLCと言われてもピンとこないかもしれませんが、フラッシュメモリの種類です。種類により容量や価格が変わってきます。さらにデータを保持できる期間も変わります。

SLCは高価で容量が少ない一方、長期間データを保持できます。現在普及している安価で大容量なTLCは、データを保持しておける期間が3年程度とだいぶ短くなります。

USBメモリに保存したデータは3年から5年で消えていくのです。長期保存には使えません。

 

オンラインストレージは危険

オンラインストレージはインターネット上で大容量のデータが保管できます。サービスによっては無料で利用できます。

サーバーが適切に運用されていればデータ消失の心配はありません。しかし、万一データが消失したとしても保障はありません。

オンラインではデータ流出のリスクがあります。パスワードが悪用されるだけではなく、セキュリティ上の不備を突かれてデータが盗み見られる場合があります。さらに、運営スタッフがデータを盗み見ていたり、そもそも犯罪防止のためにデータが閲覧されている場合もあります。

現在運営されているサービスがいつまでも続くとは限りません。競争が激しいため、数年でサービスが終了することは珍しくありません。また、仕様変更により容量が減ったり利用制限される場合もあります。

オンラインストレージを利用する際は、こういったリスクを考慮する必要があります。

 

外付けHDDにバックアップは危険

気軽に使えて大容量なのが外付けHDDです。しかしHDDはデリケートな装置なため過信は禁物です。

HDDは長期間使用しないまま保管していると、機械的に動作不良を起こす可能性があります。

一番機械にいいのはスイッチのオンオフを最小限に留めることです。電源をつけっぱなしにしておくことでもっとも製品寿命が長くなるのです。しかしそれでは結局消耗してしまうので、適度な頻度で使い続けることが現実的です。

たとえ機械的に壊れなくても、HDDにデータを長期間保存しておくのは危険です。長期的には磁気が消失します。何十年もデータを保存しておくのは現実的ではありません。

HDDはクラッシュの危険もあります。稼働中のヘッドはディスクからわずかに浮いた状態でデータを読み書きしています。衝撃や不具合でヘッドがディスクに接触するとクラッシュします。ディスクが物理的に破損してデータが読み取り不能になります。

外付けHDDはそもそも品質が高くないHDDが使用されている場合があります。バッファローなどの有名メーカー製品でも、中身は他社のOEM品です。その中でも安価な機種が使用されているのです。耐久性はあまり期待できません。

外付けHDDは使い勝手がよくバックアップに有効ですが、短期的な用途にとどめておきましょう。

 

SSDにバックアップは絶対に駄目!

SSDはUSBメモリと同様にフラッシュメモリが使用されています。フラッシュメモリは電気的にデータを保持しています。電気は時間経過と共に消えていくのでデータを保持には期限があります。

現在主流のSSDは大容量化のためにTLCを採用しています。しかし、TLCは3年ほどでデータを保持できる限界に突入します。フラッシュメモリは熱にも弱いため、高温の環境に置かれた場合はさらにデータを保持できる期間が短くなります。

SSDはデータの長期保存には不向きです。いくら大容量でもデータが消えてしまえば元も子もありません。

もしSSDをバックアップに使用していたら、データが消える前に他のメディアに切り替えましょう。

 

結局、なにでバックアップすればいいのか

ここまで記事を読んで、駄目なものばかりでわけがわからなくなっていると思います。実際、デジタルデータのバックアップは非常に悩ましい状況になっています。

長期間確実に保存できる手段がなかなか存在しません。さらにメディアが徐々に淘汰されていきます。

フロッピーディスクはとっくに消えました。昔はパソコンに標準搭載されていましたが、今では骨董品です。

ZIPやMOも巷から消えました。かつては大容量メディアとして重宝されましたが、現在では見たことすらないという人が多い状況です。

バックアップに重要なのは、淘汰されづらく長期保存が可能なメディアを使うことです。どんなに厳重にバックアップをしていても、使用できるデバイスが存在しなければお手上げです。

 

最もバックアップに適したメディアとは?

現在、個人レベルで最も有効だと考えられるバックアップ手段は「DVD-R」と「BD-R」です。

HDDやSSDと比較して容量はだいぶ小さくなりますが、機械的な故障がしづらいのが利点です。

メディアが広く普及しているので長期間にわたり利用され続けることが予想されます。

欠点として、紫外線に弱いというのがあります。しかしこれは保管状態が悪い場合の話で、適切に保管することで長期保存が可能になります。

DVD-RやBD-Rは記録面の色素をレーザーで変質させることで信号として記録します。記録面に紫外線が当たると色素が退色します。長期間紫外線を浴びると、データが読み取り不能なレベルに色素が退色してしまうのです。例えるなら感熱紙の印刷が消えたような状態です。

紫外線を完全にシャットアウトすれば色素の退色は起こりません。紫外線は太陽光だけではなく蛍光灯からもわずかに発しています。ディスクを不透明の容器に保管しておけば紫外線を防ぐことができます。

個人的には15年前に作成したDVD-Rが読み込めました。保存状態がよければ10年や20年は確実に持ちます。

さらに長期保存したい場合は、空気中の酸素や水蒸気を除去した環境で保管すれば可能です。ディスクの酸化や腐食を防ぐことでデータの破損を防ぐことができます。