ドンキの格安ノートパソコンがすすめられない理由

ドン・キホーテでは独自ブランドの格安ノートパソコンが販売されています。

2020年8月28日に最新機種の『MUGAストイックPC3』が発売されました。シリーズの第三段になります。

価格は前機種と同様の19800円(税抜)です。低価格なスマホに匹敵する価格設定になっています。

スペックは前機種より若干上がっている

主な性能は前機種と比べて

ストレージ (eMMC):32GB → 64GB
CPU:Intel Atom x5-Z8350 (1.92GHz) → Intel Celeron N3350 (2.0GHz)

とパワーアップしています。

MUGAストイックPC3

■型番:KNW14FHD3-SR
■プロセッサ:IntelR CeleronR N3350(Apollo Lake)
■プロセッサスピード:1.10GHz/最大2.40GHz
■グラフィックス性能:IntelR HD Graphics 500
■無線LAN(Wi-Fi):IEEE802.11a/b/g/n/ac
■通信:BluetoothR 4.2
■OS:Windows 10 Home 64bit(Sモード)
■システムメモリ:LPDDR4 4GB(増設・変更不可)
■ストレージ:eMMC 64GB(増設・変更不可)
■インターフェイス:USB3.0×2、 Mini HDMI×1、microSDスロット×1(最大128GBまで)、3.5mmヘッドセットジャック(オーディオ出力+マイク入力)×1
■ディスプレイ:14.1インチ IPS液晶 1,920×1,080ドット
■カメラ:30万画素(インカメラ)
■スピーカー:1W×2
■キーボード:83キー日本語キーボード
■バッテリー:5,000mAh 7.6Vリチウムポリマーバッテリー 駆動時間:約9時間 ※1
■サイズ(約):幅333mm × 奥行224mm × 高さ22mm(閉じたとき)
■重量(約):1,350g
■取得規格:技術適合・PSE
■ビジネス統合ソフト:Kingsoft WPS Office
■付属品:充電用ACアダプター(コード長:約1.2m)、Mini HDMI変換ケーブル(コード長:約22cm)、保証書・取扱説明書、WPS Officeライセンスカード
■生産国:中国

カタログスペックだけを見ると価格のわりによさそうです。ノートパソコンとして必要な機能がしっかり搭載されています。機能が足りなくて困るということはありません。

唯一困りそうなのは「有線LAN」が使えないことくらいですが、USBタイプのアダプターを取り付けることで解決します。



ストレージ64GBはぜんぜん足りない

ストレージは前機種の2倍の64GBになっています。大幅アップのように見えますが実際に使おうとするとギリギリの容量です。

Windows10だけでも約10GBの容量を消費しています。加えて「WPSO ffice」がプリインストールされているのでトータルではさらに容量を使っています。ネットの情報では初期状態の空き容量が40GBだそうです。

空き容量が40GB程度では使用しているうちにあっという間に足りなくなります。本当に必要最低限というレベルです。

ストレージが足りなければ外付けのSSDドライブなどを使用することもできます。低価格なものでも4、5千円はするので格安PCを購入するメリットは薄れます。最初から容量の大きい機種を買ったほうがいいでしょう。

CPUの処理速度はほとんど上がっていない

CPUのランクが上がりパワーアップしているように見えますが実はそれほどアップしているわけではありません。

インテルの仕様によると「Celeron N3350」の最大周波数は2.4GHzですが当機種は2.0GHzに設定されています。発熱や消費電力を抑えるための措置かもしれませんが本来の処理速度を発揮できていません。それでも元の性能が低いので誤差の範囲内ですが。

そのためクロック周波数は前機種とほぼ同じです。CPUのランクは上がっていますが同程度の処理性能になります。



カタログスペックに現れない品質がある

カタログスペックとしては悪くはありません。しかし製品には数字に現れない品質があります。

価格を抑えるためには部品のコストを削るしかありません。こういった部分はカタログスペックには現れません。低価格な製品は相応に品質が落ちることが考えられます。

一例をあげるとコンデンサです。

低品質なコンデンサを使用しているとひんぱんにフリーズしたり動作が不安定になるなどの不具合が起きやすくなります。熱に弱く短期間で壊れてしまうこともあります。

やはり価格相応となります。

どんな用途に向いている?

ネットでウェブサイトや動画を見るといった用途なら問題ありません。なんでもいいからパソコンが欲しいというのならいいでしょう。

それ以外の用途にはすすめられません。容量が足りないので本当に最低限の用途に限られるからです。

カメラがついてるのでテレワークに使えそうですが30万画素なので厳しいです。処理速度も低いので仕事に支障が出るかもしれません。

親が子供に買い与えようというのもやめたほうがいいでしょう。パソコンを使う楽しさよりストレスが増えれば逆効果です。倍の値段を出してちゃんとしたメーカー製のノートパソコンを買ったほうがいいです。

この機種であれこれ使いこなそうというのは無理です。特に3Dゲームはまず動作しません。

実は上級者向け

はっきり言ってこの機種は上級者向けです。

低価格なので初心者向けのように思えるかもしれません。しかし低スペックのパソコンを扱うにはスキルが必要です。スペックが足りずにソフトウェアが動作しない、いつのまにか容量がいっぱいになっていたなどのトラブルに対処しなければならなくなります。

初心者にはなにが起きているのかすらわからない場合があります。サポートも期待できないので場合によってはお手上げです。

インストールされているWindows10はSモードに設定されています。初期状態ではGoogle Chromeなどはインストールできません。Sモードの解除が必要ですが右も左も分からないような人間にいきなりこれをやれというのは酷です。

この機種を使うにはパソコンについてある程度の知識が必要です。Windowsの機能やハードウェアについてわかっているユーザー向けです。

ですがパソコンに詳しい人間がわざわざこの機種を買うことはないでしょう。完全にターゲットを外しています。

おわりに

『MUGAストイックPC3』は上級者向けです。価格的には一見入門用に思えますが実は初心者向けではありません。

この機種はスペックが低いことを納得したうえで使用するものです。性能や対応法に熟知している必要があります。

格安のノートパソコンは価格相応です。今の時代は5万円あればネットで有名メーカー製のノートパソコンが購入できます。価格.comなどで探してください。低価格で購入したいという人は断然そちらのほうがおすすめできます。格安ノートパソコン2台分よりはるかに価値があります。