富士山が最後に噴火したのは1707年の宝永大噴火です。それ以来、およそ300年のあいだ噴火は起きていません。
富士山が噴火すると言われてもピンとこないかもしれません。前回が江戸時代の話なので仕方のないことです。
毎年20万人以上が富士山の登山に訪れます。それだけ安全だというイメージを持たれています。しかし登山の最中に富士山が突然噴火する可能性は十分にあるのです。
目次
富士山は活火山
富士山は長いあいだ噴火していないので大人しい山だというイメージを持たれています。
しかし実際は活火山です。過去にはたびたび噴火を起こしています。
記録に残っている781年(天応元年)の噴火以来、富士山は何度も噴火を起こしています。1世紀のあいだに2、3回の噴火が起きていることは珍しくありません。
現在のように300年ものあいだ噴火が起きていないというのは珍しいケースなのです。
富士山の噴火は巨大地震と連動している
富士山はしばしば巨大地震の前後の期間に噴火を起こしています。そのため巨大地震との関連性が指摘されています。
地震 | 噴火 | ||
869 | 貞観地震 | 866 | 貞観大噴火 |
1096 | 永長地震 | 1083 | 永保噴火 |
1498 | 明応地震 | 1511 | 永世噴火 |
1707 | 宝永地震 | 1707 | 宝永大噴火 |
2011 | 東日本大震災 | ? | ??? |
記録にある4回の噴火が地震と連動していたと考えられています。
地震と連動するといっても地震発生から短期間に噴火が起きるとは限りません。10年以上たってから噴火が起きる場合もあります。
この記事を書いた時点で2019年なので、東日本大震災から8年が経過しています。いまだに富士山の噴火は起きていません。しかしこれから起きる可能性は十分に考えられるのです。
火山が噴火する原理は炭酸飲料と同じ
マグマといえば鉱物が熱せられて溶けたものというイメージではないでしょうか。
しかし実際に含まれているのは鉱物だけではありません。水、二酸化炭素、二酸化硫黄などの気体化しやすい物質が溶け込んでいます。地中深くのマグマが地表付近まで上昇すると圧力が下がり発泡しやすくなります。
刺激を受けるとマグマに溶けた水や二酸化炭素が気化して発泡します。炭酸飲料の容器を振ったような状態です。
炭酸飲料の中身が吹きこぼれた経験があるのではないでしょうか。マグマも同じような状態になり場合によっては吹き出します。これが噴火です。
強い振動を受けるほどマグマは激しく発泡して噴火しやすくなります。巨大地震と火山の噴火が連動しているのはこのためです。
富士山の噴火が起きたら首都圏の交通機関は停止する
噴火が起きるとまず危険なのは火山一帯の噴石や火砕流です。しかし火山から離れていれば安全だとは限りません。広範囲に火山灰が降り積もるからです。
火山灰が降ることでさまざま影響があります。特に交通機関への影響は深刻です。
鉄道は線路に積もった火山灰を取り除くまで運行が停止します。航空機はエンジンが火山灰を吸気して停止する危険があるため飛行不能になります。自動車は道路に積もった火山灰でスリップを起こすため走行できません。
富士山の噴火により首都圏の交通機関はほぼすべてが停止します。
首都圏は大勢の帰宅難民が発生する可能性があります。もし富士山が噴火した場合は即座に帰宅するなどの対応が必要です。
火山灰は人体に有害
火山灰はガラス質の微粒子でできています。吸い込んだり身体に付着しないよう対策が必要です。
主な対策
・防塵マスクをつける
火山灰を吸い込むと呼吸器に悪影響があります。気管支を傷つけたり、じん肺のリスクがあります。マスクを着けて吸い込まないようにしましょう。
・ゴーグルつける
火山灰が目に入ると目を傷つけてしまします。ゴーグルをつけるなどして目を保護し灰が付着しないようにしてください。
・コンタクトレンズを外す
コンタクトレンズに火山灰が付着すると目を傷つける原因になります。コンタクトレンズを外してメガネを使用しましょう。
・肌の露出を避ける
火山灰が肌に付着すると炎症を起こしたり傷つける危険があります。長袖や長ズボンを着用して肌を露出しないようにしましょう。
おわりに
富士山は活火山です。現在は沈黙していますがいつか必ず噴火します。
噴火したときのために対策や備えをしておきましょう。