ネット上ではたびたび「炎上」という現象が起きています。
Twitterでは犯罪行為や迷惑行為をツイートしてして炎上する人が後を絶ちません。
そういった迷惑行為を放置しておけば社会が不健全化します。批判されるのは当然ですね。しかし、批判されるのは迷惑行為ばかりとは限りません。
誰かに迷惑をかけているわけではない思想や価値観に対しても激しく非難される場合があります。なぜそういった事態が起きるのでしょうか。
ガリレオにも炎上が起きていた
天動説が信じられていた時代には、地球が宇宙の中心でその周りを星々が動いていると誰もが信じていました。そんな時代に異論を唱えたのが、ガリレオ・ガリレイです。
地動説を主張したガリレオは異端者でした。
人々はどうにかしてガリレオの異論を排除しようと動きます。教会は裁判まで起こしてガリレオの地動説を否定しました。
現代人からみると滑稽な話ですね。しかし当時の人々は真剣にそれを行っていたのです。
なぜ炎上が起きるのか
人間は自分に理解不能なものや価値観にそぐわないものに遭遇すると、耐え難い感情を持ちます。特に、偏見が強い人ほどその傾向が強まります。
そういった感情に耐えられないとどうなるのでしょうか。
対象をどうにかして正常化しようと考えます。それが人間を批判や否定という行為に駆り立てます。
ガリレオは裁判にかけられ、自身の地動説を否定されました。教会は彼の異論を正常化しようと考えたのです。
ガリレオに限らず、歴史的な発明や発見をした人物は批判に晒されていました。こういったときに、批判する人たちにはどんな心理が起きているのでしょうか。
彼らには「認知的不協和」が起きているのです。
認知的不協和
認知的不協和(にんちてきふきょうわ、英: cognitive dissonance)とは、人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語。アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された。人はこれを解消するために、自身の態度や行動を変更すると考えられている。
日常的に認知的不協和が利用されている
認知的不協和を逆手に取った行為があります。いわゆる「釣り」です。
あえて煽るような文章で反応を得ようという行為です。
そういった文章を見たときに、その人は認知的不協和を起こします。そして、認知的不協和を解消しようとして、まんまと釣られてしまう人が現れます。
キャッチーなタイトルをつけた本やブログ記事なども認知的不協和を誘っています。煽るようなタイトルをつけて閲覧者を増やそうとする作戦ですね。
方法としては間違っていないのですが、多用しすぎると読者は「釣り」が行われているような気分になります。
認知的不協和を起こさないようにするためには

認知的不協和を起こすと、傍目にはウザい人間に見えます。
TVタックルによく出演している、女性の権利を主張する人がいますね。ちょっと批判されるとすぐにヒートアップします。他人の意見には耳をかそうとしません。彼女は極端な認知的不協和を起こしています。
冷静さを欠いていれば、どんなにまっとうな主張をしても悪印象を受けてしまいます。なにを言おうと聞き入れてもらえなくなります。そうならないためには、認知的不協和を起こさないようにする必要があります。
まずは自身に認知的不協和が起きていると自覚しましょう。
認知的不協和が起きているときには、あなたは「イラッ」としています。それを自覚できれば、自分の身に認知的不協和が起きていることに気づき、コントロールできるようになります。