コンピューターは「0」と「1」ですべてのデータを処理しています。スイッチでいうとオンとオフです。これが「2進数」です。
しかし0と1だけでは人間にはわけがわかりません。そこで多少扱いやすくしたのが「16進数」です。
16進数というだけで難解そうに思えるかもしれません。聞いたことがないという人もいるでしょう。しかし実際は身近なところで16進数を目にしていることがあります。
ゲームに使われる255や65535という数字は16進数
ゲームをプレイしていて「255」や「65535」といった数字を見たことがあるかもしれません。大抵はステータスや経験値の上限などに設定されています。一見すると半端な数字のようにみえます。
「255」と「65535」を16進数で表記すると「FF」と「FFFF」になり、桁の中で扱える最大の数字になっています。10進数でいうと「99」のようなものです。16進数として考えると意味のある数字だったのです。
ウェブサイトを作成したり管理した経験のある人は色の設定に「#1122cc」といったコードが使われているのを見たことがあるかと思います。これも16進数で表記されています。
「#1122cc」はRGB各色256階調の色情報を表しています。
コンピューターではフルカラーの場合、256階調の赤緑青をかけ合わせて色を表現しているのです。

グラフィックソフトではこういったRGBスライダで色を設定します。フルカラーは各色8ビットなので「2^8=256」となり、各色が256階調になるのです。
16進数の読み方と変換方法
人間が一般的に使っているのは10進数です。1つの桁で「0」から「9」を扱い、9の次は桁がくり上がります。
16進数は1つの桁で「0」から「15」を扱います。「0~9」は10進数と同じで、10以降は「A~F」のアルファベットを使います。Fの次は桁がくり上がります。
16進数を10進数に変換する計算は『16^(桁数-1)×数字』になります。
各桁ごとに16進数の数字を掛けて合計します。
例)
16進数の「12ab」を10進数に変換する。
16^(1-1)×11 + 16^(2-1)×10 + 16^(3-1)×2 +16^(4-1)×1
= 4779
となります。
Windowsの電卓機能を使用する
手計算や電卓を使って16進数を計算するのは手間です。Windowsの電卓を使うことで簡単に変換することができます。

※画像はWindows10のものです。
Windowsの電卓には通常の10進数モードの他に16進数モードがあります。この機能を使用します。

電卓を起動した直後は「標準」になっているので16進数が使えるモードに切り替えます。メニューを開き「プログラマー」を選択します。

「HEX」の項目を選択して16進数に切り替えます。
例えば「12AB」と入力すると「DEC」の項目に「10進数」に変換された数字が表示されます。特に難しい操作はなく簡単に変換できます。
ちなみに「OCT」は「8進数」、「BIN」は「2進数」を表していて、それぞれ変換された数字が表示されます。
おわりに
コンピューターを扱っていると16進数は頻繁に登場します。
16進数と聞くと難しいイメージがあるかもしれません。覚えてしまえば数字を読む程度なら簡単にできるようになります。コンピューター上でなにげなく使われている数字にも意味があることがわかります。
この機会に16進数を覚えてみてはどうでしょうか。