日本製パソコンがシェア激減? とっくの昔に絶滅してました

日本メーカーのパソコンが国内でシェアが激減しているというニュースがありました。記事によると外資企業のシェアが8割になったようです。

テレワーク需要で出荷数維持も…日本のPC市場「外資」が完全制圧 – ライブドアニュース

一見すると日本の産業が大打撃を受けたような報道です。実際、スマホの普及によりパソコンの需要が減りさらに日本企業がシェアまで失ったのは痛手です。散々な状況に見えます。日本が駄目になっただの衰退しただのという主張が拍車をかけそうです。

しかし実際のところそんな単純な話ではありません。

日本メーカーのパソコンは台湾製になっていた

実のところ日本メーカーのパソコンはとっくに消えていました。

「いや、富士通やNECが作っているでしょ」とツッコミが入るでしょうが事実です。日本メーカーが販売するパソコンは15年くらい前には大半が台湾製になっていたのです。WindowsでいうとXPの時代です。

デスクトップPCもノートパソコンも台湾企業に委託して製造されたものです。これは日本に限ったことではなく世界規模で台湾製にシフトしていきました。



パソコンの販売は利益が出にくい

パソコンは普及するにつれて低価格化が進み利益率の低い商品になっていきます。

2000年頃のパソコンは比較的低価格なものでもモニタと合わせて20万円程度はしました。現在と比べるとだいぶ高額です。しかし時代とともに価格がどんどん下がっていきます。

2010年頃には一式で10万円あたりまで低価格化が進んでいます。ほぼ半額です。当然のごとく利益率も下がっています。

パソコンパーツはPC/AT規格により共通化されています。製造といっても自社開発できるのはマザーボードくらいです。その他は既存のパーツを組み立てるだけでCPUやHDDなどのストレージは100%他社製です。

パソコンはほとんど他社製品を販売しているようなものです。そのため出せる利益は限られています。

企業としては自社開発をしてさらに利益を出すというのは難しくなります。かといって自社ブランドをみすみす捨てるわけにもいきません。そこで製造を外注して自社ブランドでパソコンの販売を続けるという路線にシフトしたのです。

台湾といえばパソコンパーツ

台湾でパソコンを製造と聞いてもピンとこないかもしれません。しかし台湾は昔から電子産業に注力していて高い技術力を持っていました。

現在ではスマホなどでASUSが有名ですがそれ以外の企業はあまり目立っていないというのもあります。ですが世界的企業が何社もあります。iPhoneを製造しているのも台湾企業のフォックスコンです。

以前はパソコンパーツといえば「Made in Taiwan」が一般的でした。単に安価だからというわけではなく品質も良よくコスパが高いものでした。個人的にも台湾製パーツをよく買っていました。

パソコンのマザーボードに至っては台湾メーカー一色です。台湾メーカー以外はintelくらいじゃないでしょうか。個人的に知っている範囲では1990年代の末頃にはすでにそういった状況でした。ASUSもその時代にはすでに存在していてマザーボードを販売していました。この業界では老舗といえます。

マザーボードはパソコンの中枢といえるパーツです。

よくCPUが心臓部に例えられますが本当に重要なのはマザーボードです。どんなにハイスペックなCPUやグラフィックボードを搭載していても性能を発揮できるかどうかはマザーボード次第です。マザーボードの製造には高い技術力が求められます。

台湾はそういったマザーボードの高いシェアを持っているのです。台湾にパソコン製造がシフトするというのは必然だったといえます。



おわりに

日本のパソコンがシェアを落としたというのは残念ではあります。しかし日本企業はすでにパソコンの製造をしていなかったのです。

パソコンはもともと利益が高いわけでもなくスマホ全盛の時代なため売れないからといって悲観するものでもありません。すでに衰退期にある商品なのでこうなるのは必然だったといえます。

よく日本の産業は衰退しただの言われていますがハイテク素材の分野では日本企業が圧倒的です。日本製品なしにはメモリもディスプレイも作ることは不可能です。日本は今後もそういった分野で活躍していけばいいのではないでしょうか。