日本は世界有数の火山国です。四国地方を除く地域に「111の活火山」が存在します。
活火山といってもたびたび噴火を起こしたり常に噴煙をあげてるとは限りません。
現在の活火山の定義は「過去1万年以内に噴火が起きた火山」です。数千年前に噴火してその後沈黙している火山でも活火山と呼ばれます。
今は休止中だとしても今後噴火する可能性はあります。そんな火山が日本に111も存在するのです。
中には過去に大噴火を起こした火山もあります。その規模は日本列島の広範囲に壊滅的な被害を及ぼすほどでした。
九州で起きた巨大噴火がヤバい

九州地方では過去10万年間に3度の「破局噴火」と呼ばれる巨大噴火が起きました。
破局噴火は通常の噴火とは違い生態系や地球環境に甚大な影響を及ぼすほどの大規模なものです。
・鬼界カルデラ 7300年前
・姶良カルデラ 29000年前
・阿蘇カルデラ 9万年前
3度とも九州全域に壊滅的被害を受けました。海を超えて本州にも火山灰が降り積もりました。さらに東北地方から北海道に及ぶこともありました。
それほどの巨大な噴火が起きていたのです。
鬼界カルデラ(7300年前)
「7300年前」に鹿児島県南部の沖合50キロの海底で噴火が起こりました。
海底で噴火したにも関わらず地上に大被害を及ぼします。火砕流は海を超えて鹿児島県南部に到達しました。
当時九州で暮らしていた縄文人は壊滅的被害を受けます。九州の縄文人はほとんど途絶えました。実際、この時代以降に九州で発掘される縄文遺跡は激減しています。
火山灰は本州にまで到達し、近畿地方に20cmも積もるほどでした。
姶良カルデラ(29000年前)
「29000年前」に鹿児島湾で噴火が起こりました。
これにより南九州一帯を火砕流が埋め尽くします。積もった火山灰は50cmに及びました。
現在の近畿地方や名古屋では火山灰が20cmも積もりました。さらに関東地方でも10cm積もりました。
広範囲に大量の火山灰が飛散したことがわかります。
阿蘇カルデラ(9万年前)
「9万年前」に阿蘇山で起きた噴火です。
火砕流は九州全域に及びました。さらに海を超えて山口県にまで到達します。
火山灰は日本列島全域に積もり、北海道で15cmも積もるほどでした。
阿蘇カルデラは世界最大級の規模を誇ります。それほどの巨大な噴火が起きていたのです。
おわりに
日本列島の歴史上、破局噴火はそれほど珍しいものではありません。確率的には1万年に一度の頻度で起きています。
前回の鬼界カルデラの噴火から7300年が経過しています。近い将来に破局噴火が起きる可能性は十分にあるのです。