日の目を見ずに消えたJPEG2000

現在、画像フォーマットとして広く普及しているのは「JPEG」です。

スマホやデジカメで写真を撮影するとJPEG形式で保存されます。ネットを見れば大抵の画像はJPEGが使用されています。

JPEG2000はJPEGに次ぐ次世代の画像フォーマットとして開発されました。

JPG2000なんて聞いたことがない

JPG2000と言われても聞いたことがないという人が多いのではないでしょうか。実際、まったく普及していません。知らないのも当然です。

規格が作られたのは2000年あたりです。スマホも存在していない時代です。

徐々に普及するのかと思いきや対応するソフトが一向に増えませんでした。ブラウザさえ非対応のためネットで利用することもできません。

なぜそこまで普及しなかったのかは不明です。まるで巨大企業の妨害でも入ったかのように普及しませんでした。

すでにJPEGが普及していたのでどうしてもJPEG2000が必要というわけではなかったのかもしれません。画像の展開にマシンパワーが求められるというのも使われなかった理由のひとつです。

そうこうしているうちに年月が過ぎ存在自体も忘れ去られていきました。



JPEG2000は劣化なしの次世代フォーマット

JPEG2000は次世代の画像フォーマットとして作られました。なぜ次世代かというと画質の劣化がない「可逆圧縮形式」だからです。

JPEGは「非可逆圧縮形式」の画像フォーマットです。通常、写真のような画像はファイルサイズが大きくなりがちです。JPEGは画質を落とすことでファイルサイズをコンパクトにすることができます。

ウェブサイトの画像を拡大表示すると滲んだようなノイズが入っていることがわかります。JPEGの特徴です。保存をくり返せばノイズが増え画質はどんどん劣化していきます。JPEG形式で何度も保存するのはNGです。

画質が劣化するデメリットをなくしたのがJPEG2000です。

しかしメリットばかりではなく処理にマシンパワーが必要になりました。

当時のパソコンは現在ほど高性能ではありませんでした。そんなコンピューターで画像処理に時間がかかっていては利便性が下がります。これがネックだったといえます。

とはいえ数年もたてばパソコンの処理速度はだいぶ上がっています。JPEG2000を扱うのにも問題ない性能になっていたはずです。ところがまったく普及する気配がありませんでした。

JPEG2000はユーザーにとってメリットになったずです。それがまるで無視されていたのです。

再び次世代フォーマットが普及する兆し

現在、次世代フォーマットが再び普及の兆しを見せています。Googleの「WebP」とマイクロソフトの「JPG XR 」です。どちらもJPEG2000と同様の可逆圧縮形式です。

新しい規格というわけではなく、2010年 (WebP) と2009年 (JPG XR) に作られています。それから10年たっていますが結果はJPEG2000と同様にほとんど普及していません。

対応ブラウザがもっとも多いのはGoogleの「WebP」です。You Tubeのサムネイルで使用するなどGoogleは普及に力を入れています。Chrome以外のブラウザでも対応しているのはそのためです。強引にでも普及させるつもりなのでしょうか。



可逆圧縮形式ならPNGがある

可逆圧縮形式が必要なら次世代フォーマットにこだわる必要はありません。PNGもあるからです。

PNGはイラストのような色の変化の少ない画像に向いていますが意外と写真にも使えます。圧縮率も悪くはありません。劣化なしで画像を保存したいときにはPNGを使うという手段もあります。

グラフィックソフトやブラウザではJPEGやGIFと同様に基本的な画像の扱いになっています。ソフトが未対応で困るということはまずありません。ネックになるとすれば高圧縮で保存するときに時間がかかることくらいです。

おわりに

今後JPEG2000が普及することはないでしょう。だからといって別の次世代フォーマットを普及させようというのも今さら感があります。規格を乱立させるくらいならJPEG2000でよかったのではないでしょうか。ユーザーの利便性が無視されているように感じます。