光学ドライブが未搭載のパソコンが増えてきました。必要な場合はオプションになりつつあります。
ソフトウェアやデバイスドライバの供給はネットで行われるようになりました。以前のようにCD-ROMが必須ではなくなりました。光学ドライブが必要とされなくなるのは当然といえます。
しかしまったく必要がなくなったわけではありません。
目次
光学メディアはバックアップに適している
光学ドライブの需要はまだあります。そのひとつがデータのバックアップです。
バックアップに適したメディアとは?
・長期間データを保存できる。
・長期的に読み取るシステムが存在する。
・耐久性が高い。
データは使えなければ意味がない
バックアップはただ容量が大きければいいというわけではありません。長期間に渡って使えるメディアが必要です。
昔普及していた「ZIP(記録メディア)」や「MO(光磁気ディスク)」は現在では利用が難しくなりました。ドライブはすでに骨董品です。ディスクを持っていてもドライブが利用できないという状況になりつつあります。
「フロッピーディスク」も同様です。フロッピードライブを搭載しているのは古いパソコンだけです。
いくらデータだけを持っていても読み取りができなければ開かない金庫と同じです。なんの役にも立ちません。データをバックアップするうえで一番避けなければならない事態です。
HDDやUSBメモリはバックアップに不向き
HDDは大容量ですがデータのバックアップには不向きです。機械的に壊れてしまえば大量のデータが失われます。USBメモリも同様です。数年で読み取り不能になってしまえばバックアップの意味がありません。
HDDやUSBメモリをバックアップに使う場合は数年おきに新しいメディアへバックアップを続ける必要があります。
光学メディアは長期のバックアップに適している
現在、コンピューターで有効なバックアップ手段は限られています。どれも一長一短があります。
・光学ディスク(DVD-R、DVD-RW、BD-R、BD-RE)
・フラッシュメモリ(USBメモリ、SDカード)
・HDD
・磁気テープ
・光磁気ディスク(MO)
磁気テープはコスト的に個人用途向けではありません。光磁気ディスクはすでに骨董品です。
比較的容量があり長期の保存に適しているのは「DVD-R」や「BD-R」のような光学メディアです。
機械的な故障がなくディスクも丈夫で長期間のデータの保存が可能です。個人レベルでのバックアップに適しています。
光学ディスクは5年も持たないのでは?
DVD-RやDVD-Rディスクが短期間で駄目になってしまったというケースがあります。耐用年数が5~10年と言われることもあります。
書込み可能なDVD-Rなどは「紫外線」に弱いため耐用年数は保存環境に左右されます。保存状態が悪いと短期間で読み取り不能になることがあります。
保存環境が良ければ20年以上持つ
DVD-RやBD-Rは保存環境に注意が必要です。
・紫外線を当てない。
・高温環境に置かない。
冷暗所で保管しておけば短期間で読み取り不能になることはありません。20年程度なら確実に持ちます。
厳密に長期間保管するなら酸素や湿度を除去した環境が必要です。
長期保存ができるM-DISC
一般の記録可能な光学メディアに比べて長期保存が可能と謳うメディアです。ディスクには色素が使われないため紫外線による劣化はありません。
書き込みには専用のドライブが必要です。ディスクが高額ですがデータを長期保存したいという場合は使用してみるのもいいかもしれません。
ディスクは特殊ですが読み取りは一般のドライブで可能です。
ドライブは安物を避けよう
ディスクへの書き込みはただ行えばいいというわけではありません。書き込みの品質が求められます。
書き込みには「レーザー」が使用されます。レーザーは強すぎても弱すぎてもいけません。適切な強さがあります。
低価格なドライブは書き込み品質が良くない場合があります。そういったドライブを使用すると短期間でデータが読み取り不能になる危険があります。
ドライブを購入するときはなるべく低価格な製品を避け「Pioneer」などの信頼性の高いメーカーを選ぶことをすすめます。
おわりに
データのバックアップは転ばぬ先の杖です。失って公開する前に適切なメディアにバックアップを行いましょう。