絵がうまくなりたいと考えて練習している人はけっこういるのではないでしょうか。
中にはネット上に練習の過程を公開している人もいます。上達する人もいればそうでもない人もいます。
練習すれば上達するものと考えられがちですが、必ずしもそうとはいえないのが現実です。いったいなにが違うのでしょうか。
この記事では技術的なものではなく考え方について書いていきます。
目次
下手だったけど絵を描いていた
20歳近くになってから個人的にイラストを描き始めました。目的は上達したかったからです。
もともと大した才能があるわけでもなく学生時代の美術の成績はちょっと良かった程度です。ノートにいろいろと描いたりはしていましたがなかなかうまくはなりませんでした。
なぜかというと低品質な絵ばかりを描いていたからです。ラフな絵やラクガキのような質の低い絵をいくら描いても大した効果ははかったのです。まったく無駄とはいえませんが上達する効果はわずかです。
重要なのは絵を完成させること
アナログは手間がかかるのであまり描きませんでした。本格的にやり始めたのはデジタルの環境になってからです。
一番効果があったのは絵を完成させることでした。自分の場合はペン入れをしたり色を塗ったりです。
いくつも描いているうちにだんだんと自分のレベルがわかってきました。絵を完成させることで自分の画力が客観視できるようになったのです。
絵を完成させる効果はほかにもあります。ラフな絵やラクガキでは出している力がわずかです。筋トレでいうと軽いウェイトでやっているようなものです。1キロのダンベルを何百回持ち上げてもただエネルギーを消費しているだけです。
一枚ずつしっかりと絵を完成させることで上達するようになってきました。
80%の力で描くのが効果的
絵を描いているうちにあることに気づきます。少し上達したかなと思うとあとから見たらやっぱりヘタクソなんです。これでは永久にヘタクソです。上達したのは気のせいなのだろうかと不思議でした。
しかしそれこそ上達している証拠だったのです。わずかでも上達した状態から以前の絵を見ればヘタクソに感じるのは当然のことでした。
どんなに一生懸命に描いてもあとから見ると必ずヘタクソです。全力で描くことに大した意味はないのではと思いました。
筋肉をつけるには最大筋力の80%の負荷が必要だといいます。絵を描くのにも80%程度が適切のようです。
パレートの法則からもだいたい合っている

パレートの法則では80%の完成度に到達するのに全体の20%のコストがかかるといいます。100%の完成度に達するためには残り80%のコストが必要になります。
絵でいうと100%のクオリティで1枚描くのに対して80%なら5枚描ける計算です。実際はそこまで極端に差が出るかはわかりませんが、注力しすぎることがデメリットになるのは確かです。
労力をかけすぎても時間がかかるばかりでクオリティが劇的に上がるわけではありません。ほどほどのクオリティが適切ということです。
何百枚描いても上達しない理由
何百枚描いても上達しない人がいるのは負荷の低い練習をしているからです。軽いウェイトを何百回も持ち上げても筋肉がつくわけではないのと同じです。
やたらと量を推奨する人間にも責任はあります。やみくもにやればいいとは限らないのですが、よくわからずに実行してしまう人がいます。その結果徒労に終わるのです。
量も必要ですが質を上げつつというのが抜けています。
効率的に絵が上達するには
・80%の労力をかけて完成させる。
・ラフやラクガキは効果が低い。
・量をこなすのも必要。
・練習はやらない。
絵が上達するためには80%の質を目安に量をこなすというのがポイントです。
練習という考えは捨てたほうがいいように思えます。練習のための練習をすることになるからです。絵なら常に本番が可能です。本番を描き続けることで上達することができます。
ラフやラクガキが無意味とはいいませんがやっていることは低負荷です。その時間でしっかりと絵を描いて完成させたほうが効果的です。
絵に限らずなんにでも応用できる
絵についての自分の経験を描きましたが考え方はなんにでも応用することができます。
ブログの運営でもだいたい同じでした。以前に書いた記事はいつもひどく見えます。しかしそれは自分の文章力がわずかでも上がった証拠です。ヘタクソなのは慣れているのでいつもどおりだと思うことにしています。
ヘタクソだからといってクオリティを上げようと努力しても意味がないことは学習済みです。どうせあとからは見劣りがするのです。80%のクオリティが上限です。
SNSなどで短い文章を書くのとブログ記事として完成させることではかかる労力が違います。必要とされるスキルが別なのだと思います。絵を完成させることに通じるものがあります。
おわりに
絵が上達するにはただ数をこなすだけではなく質が重要です。しっかり完成させつつ量をこなすことで上達することが可能です。
絵を描くこと以外にも応用が可能です。ぜひ参考にしてください。