いつの時代もゲームに対して否定的な意見がよくあります。
確かに子供が勉強そっちのけでゲームばかりしているのはよろしくありません。学力に支障が出るうえにゲームに熱中する様子はまさに中毒症状です。
動物実験ではネズミが報酬目当てにスイッチを押す行為がやめられなくなりました。ドーパミンが出て快感を覚えるので延々とスイッチを押し続けしまうのです。まさに中毒症状です。ゲームに夢中になる人間も同じような状況に陥っています。
とはいえゲームが悪だというのは極論です。熱中しすぎてしまえば害があるのはなんでも同じです。ゲームに限った話ではありません。
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目次
ゲームに否定的な意見に対する疑問
ゲームに対しては多くの否定的意見があります。
・頭が悪くなる
・学力が落ちる
・依存性がある
・コミュニケーション能力が落ちる
・犯罪の原因になる
もっともらしいものから言いがかりとしか思えないものまで様々です。どれも大した理由もなくレッテル張りをされています。
そういった意見に対して反論していきたいと思います。
ゲームをすると頭が悪くなる?
子供がゲームばかりやって勉強をしなくなり、その結果頭が悪くなるという言い分があります。一理ありますが的外れです。
ゲームに夢中な子供からゲームを取り上げるとどうなるのでしょうか。途端に勉強を始めますか? それはないでしょう。
ゲームがなければ勉強をやらずに別の娯楽を始めます。もしあらゆる娯楽を取り上げたら何もせず「ぼけーっ」としてるか昼寝を始めるのではないでしょうか。
ゲームがないからといって子供が勉強をするわけではないのです。
頭がいい人間ほどゲームが上手い
生まれついて頭のいい人間がいます。常人とは脳の性能が違います。そういう人間はゲームも上手い傾向があります。
ゲームには高い「思考力」や「判断力」が求められます。脳の性能が高ければゲームも上手いのは当然といえます。
ゲームをプレイするには頭を働かせる必要があります。ゲームは頭が悪くなるどころか脳のトレーニングになっているのです。
ゲームをやらずに生きていると脳が鍛えられない状態で人生を送らなければなりません。実際そういう人間をよく見かけます。行動が直線的でお世辞にも頭がいいとは言えない人たちです。高齢になるほど顕著に現れます。
ゲームをやらないと頭が悪くなるのです。
ゲームをやると学力が落ちる?
子供がゲームにばかり時間を取られていては勉強に支障が出ます。これで学力が上がるわけがありません。確かに勉強のジャマです。
しかしゲームがなければ勉強をするというわけでもありません。もともと勉強をしない子供はゲームがあろうとなかろうと勉強をしないからです。学力が上がらないだけで下がるわけではないのです。
どうしても子供に勉強をさせたければまず親が勉強をしてください。
親が家庭内でダラダラとテレビを見ていたり、友人知人と下らないおしゃべりを延々としていては子供に悪影響しかありません。「ミラーニューロン」が影響を受けるからです。人間は身近な人間の影響を強く受けるのです。
ドラえもんではのび太のママがデレビを見ているシーンがよくあります。これは最悪です。親のこんな姿を見て子供が勉強をする気になるわけがありません。のび太が勉強をしない原因の一端は親にあります。
親の知能が低ければ子供の知能も下がります。
まずは親が知性の高い行動を取る必要があります。そのうえで勉強しないというのならどうしょうもありません。「鳶は鷹を産まない」のです。あきらめましょう。
ゲームでコミュニケーション能力が上がる
ゲームで子供のミュニケーション能力が低下するという批判があります。
ひとりで黙々とゲームをやっているのが悪いというのです。それなら勉強や読書も有害となってしまいます。ただの言いがかりです。
最近の子供は「ゲームボーイ」を知らないそうです。任天堂のヒット商品ですが20年以上前のゲーム機なので仕方がありません。
ゲームボーイのヒット作といえば「ポケモン」です。現在でもシリーズが続いているロングセラーです。
ポケモンでは「通信機能」が活用されています。対戦やポケモンの交換に使われます。ポケモンは20年以上前からコミュニケーションツールとして働いているのです。
インターネットの普及とともにネットゲームも普及しました。現実で会ったこともないプレイヤーとオンラインでコミュニケーションをしつつゲームをプレイします。現実世界ではなかなか体験できないことです。
ゲームでコミュニケーション能力が落ちるどころかコミュニケーションの機会が発生するのです。
今の時代はゲームをするのにもコミュニケーション能力が求められます。ゲームをやっているとコミュニケーション能力が落ちるというのには無理があります。
ゲームには依存性がある?
ゲームに依存性があるのは確かです。ゲームが楽しいと感じるのは脳内物質の「ドーパミン」が出るからです。ゲームのクリアで達成感を覚えるのはドーパミンの影響です。
動物はドーパミンが出ることを好みます。ドーパミンを求めるのは本能といえます。ネズミを使った実験でもドーパミンが出る行為を延々と続けるようになりました。
美味しいものを食べたり友達と遊んだりすると快感なのはドーパミンが出るからです。ドーパミンが出ることは決して悪いことではありません。やりすぎるのが悪いのです。
ゲームが犯罪の原因になるというのは嘘
少年犯罪が起きればことあるごとにゲームがやり玉にあがります。凶悪犯罪は暴力的なゲームが原因だというのです。
しかし日本の犯罪率は減少傾向にあります。特に「青少年犯罪」は明らかに「減少」しています。ゲームで犯罪が増えているというデータはどこにもありません。
一方で高齢者の犯罪は増加しています。ゲームがなかった時代の人間のほうが犯罪率が高いのです。これをどう説明するのでしょうか。
ゲームは犯罪とまったく関係ありません。むしろゲームをプレイしていれば犯罪を起こす気にならず抑止効果があるのではないでしょうか。
おわりに
ゲームに対する批判はどれもこれも見当違いです。批判するためにこじつけているにすぎません。
確かにゲームのやりすぎはいけません。時間の浪費です。しかしまったくやらないメリットもないのです。
ゲームをやらない人ほどプレイしてみたらどうでしょうか。