【SSD】QLCの信頼性は低い? 使用するのは慎重に

QLCのフラッシュメモリを採用したSSDが普及し始めています。これによりSSDの大容量化が進んでいます。

ユーザーにとってはメリットが高いように思えますが、いいことばかりとはいえません。

QLCは従来のTLCに比べて書き換え回数やデータ保持期間の制限が大きくなります。これによるトラブルが予想されます。

QLCのメリットとデメリット

メリット
・大容量
・低価格

デメリット
・低寿命

メリット

データ密度が高く大容量化が可能

QLCの最大のメリットは容量です。データ密度を高めることで同じサイズのチップでもより大容量化が可能になります。

容量は「SLC < MLC < TLC < QLC」の順序で大きくなります。

現在普及しているのはTLCのSSDで容量は限界に達しつつあります。QLCの採用によりさらなる大容量化が可能になりました。

価格を抑えたテラバイトクラスのSSDが登場し始めています。

同じ容量でも低価格

QLCは従来のTLCよりさらにデータ密度を高めています。チップ面積が同じでも容量が上がります。

容量がそのままで価格を抑えられるとともに大容量の製品でも低価格化が進みます。

デメリット

書き込み回数はTLCの3分の1

QLCの最大のデメリットは書き込み回数が少ないことです。セルの書き込み回数は1000回程度です。従来のTLCが3000回なので3分の1です。

1000回と聞くとすぐに上限に達してしまうように感じるかもしれません。実際はウェアレベリング機能によりストレージ全体をまんべんなく使用することで長期間の使用に耐えるよう設計されています。

しかし書き込み回数が少ないことに変わりはありません。テンポラリファイルやキャッシュに使用するのは避けたほうがいいでしょう。

データ保持期間が短い

フラッシュメモリは不揮発性メモリと呼ばれています。電気を供給しなくてもデータの保持が可能です。しかし実際はデータ保持のために電子が存在しています。電子は時間とともに少しづつ失われていき最終的にデータが消失します。

QLCは書き込み回数だけでなくデータ保持期間も確実に短くなっています。通電していればリフレッシュが行われてデータが保持されます。通常は神経質になる必要はありません。

通電せずに放置しておけばデータが失われる危険があります。メーカーはこのようなネガティブな情報を公表しないのではっきりとした期間はわかりません。

もし3年も通電せずに放置していたら危険です。5年もたてばデータは消えていると考えたほうがいいでしょう。

古いパソコンでも故障していなければ動作します。しかしSSD搭載機では期待できません。特にQLCではまず無理です。



TBWの嘘

TBW (Tera Byte Written) とは書き換え可能な容量のことです。「500TBW」をうたう製品ならひとつのSSDに「トータルで500TB」を書き込めるという意味です。

そんなに大容量を書き込めるなら寿命なんて気にしなくていいのでは、と思うかもしれません。しかしこの数字には落とし穴があります。

空き容量が少ないほどTBWは減る

TBWはあくまでストレージ全体の数字です。通常はストレージ内が空っぽということはありません。普通に使っていれば少なくとも容量の半分は消費しているのではないでしょうか。

ストレージの半分を使っていればTBWも実質半分になります。

SSDはウェアレベリングによりセルへの書き込みが分散されるように制御しています。しかし限られた容量内では書き込みが集中します。空き容量に読み書きがくり返されるからです。

キャッシュやテンポラリファイルに使用すればさらに書き込み回数が増えます。使い方によっては短期間で書き込み上限に達してしまう可能性があるのです。

空き容量が減るほどTBWも少なくなります。「500TBW」だとしても空き容量が半分だと「250TBW」になります。もしギリギリの容量で使用を続けていたらTBWは実質10分の1ということになりかねません。

【まさに罠】QLC搭載かもしれないSSDが販売されている

QLCのデメリットを承知の上で使うのなら問題ありません。しかしよくわからずに大容量というだけで使ってしまうのはトラブルの原因になります。

QLCであることを明示せずに販売されている製品が存在します。嘘を書いているわけではないので間違ってはいません。法的には問題ありませんが倫理観を問われる売り方です。

買ったあとでQLCだと知れば購入者は騙されたと感じるかもしれません。信用を失うのはメーカーです。



結局、QLCは買いなの?

大容量のSSDを求めるならQLC

大容量がQLCの最大のメリットです。ひんぱんに書き込みの起こらない用途なら大容量を活かすことができます。ソフトのインストールやライブラリに使用するといった用途ならQLCに適しています。

テンポラリファイルやキャッシュには別のストレージを用意して使うのがいいでしょう。

品質を求めるならTLC

不要なトラブルを避けるならTLCを選ぶのが無難です。QLCに比べて容量は低めですが安全性を考えると十分メリットはあります。

普及が始まったばかりの製品はどんな不具合が起きるかわかりません。数年後に大規模なトラブルが起きているという可能性もあります。QLCを使うにしても1、2年様子見をしても遅くはありません。

大容量が必要ならHDD

容量を求めるならSSDである必要はありません。

高速なアクセスが有効なのはOSやソフトウェアを起動するときです。それ以外の用途でアクセス速度を求められることはほとんどありません。

大容量が必要ならHDDを使うのがいいのではないでしょうか。今のところ容量あたりのコストパフォーマンスはHDDが最高です。データ用に使うというのならHDDが有効です。

おわりに

QLCの採用によりSSDの大容量化と低価格化が進みます。一見メリットばかりのようですが確実にデメリットが存在します。

TLCに比べてQLCは書き換え回数が大幅に減りデータ保持期間も短くなります。一般的な使用で支障が出るわけではありませんが不具合にあわないためにもデメリットを知っておいて損はないのです。