Togetterを見ていたら面白そうなまとめを見つけました。
100均の商品で「千年前に持っていって一番高く売れるもの」は何だろう?「ビー玉とか?」 – Togetter
自分の知ってる範囲内で最も高く売れそうなものについて記事にしたいと思います。
希少なものほど高価
一般的に希少なものほど高価になる傾向があります。貴金属や宝石は希少だから高価なのです。
現代ではありふれたものでも昔は希少だったというものは数多くあります。たとえ100円ショップで買えるようなものでも時代によっては高価になります。
100均には豊富なプラスチック製品が販売されています。1000年前には希少ですが経年劣化に弱く高い価値は出ないと思われます。電子機器は価値がありそうですが電池が使用不能になったらおしまいです。ガラス製品なら結構な価値になるのではないでしょうか。
しかし、もっといいものがあります。確実に価値のあるものです。
アルミニウムは黄金より高価だった
一番高く売れるものはアルミニウムです。
なんでアルミニウム? と思うかもしれません。アルミニウムと聞くと高価なイメージはないと思います。むしろ一円玉のように安っぽいイメージを持っているのではないでしょうか。
ジュースの缶や缶詰にも使用されています。リサイクルされているとはいえ使い捨てです。他にも日常的に惜しげもなく消費されています。
しかし自然界では単体でアルミニウムが存在することは稀です。とても希少な金属でした。そのため時代によっては黄金より高い価値がありました。1000年前に持っていけば非常に高値で売れることは間違いありません。
アルミニウムは精錬が困難だった
アルミニウムは地球上の金属の中では最も多い物質です。一般的に原料として使用されているボーキサイトは一見するとただの石や砂です。高価なものではありません。
しかし人類が工業的にアルミニウムを利用できるようになったのは19世紀に入ってからです。人類史の中では新しい金属です。それまでは精錬する手段がなかったからです。
アルミニウムは鉄や銅のように容易に得ることができません。原料の中でアルミナ(酸化アルミニウム)として存在しています。アルミニウムと酸素は強く結合していて、鉄のように炭素と反応させようとしても分離しません。
アルミニウムの精錬には大量の電気が必要
一般的にアルミニウムは膨大な電気を使用して精錬されています。
アルミナ1トンを精錬して500kgのアルミニウムができます。このためには15000kWhの電力が必要です。1500ワットのドライヤーを約1年2ヶ月のあいだかけっぱなしにしたときに消費する電力に相当します。大量の電力を消費しているのがわかります。
人類が電気を利用するようになって初めて豊富にアルミニウムを使えるようになったのです。
アルミニウムを精錬するためには膨大なエネルギーが消費されています。現代においても貴重な資源だといえます。
人類の悲願 ステンレススチール
アルミニウムの他に高く売れると思われるのはステンレスです。
ステンレスとは「汚れのない、錆びない」といった意味の英語です。ステンレススチールを直訳すると「錆びない鉄」になります。その名の通り錆に強い鉄です。
現代の生活では当たり前のように使われていますが、開発されたのは20世紀に入ってからです。まだ100年程度の歴史しかありません。
ステンレスの原料は鉄の他にクロムとニッケルが使用されています。どちらも発見されたのは18世紀になってからで、比較的新しい物質といえます。そのため18世紀以前はたとえ偶然にでもステンレスを作り出すことは不可能だったのです。
錆びない鉄は人類にとって夢のような素材でした。しかし素材がないため昔は製造することが不可能です。1000年前なら確実に高い価値があるでしょう。
おわりに
アルミニウムはかつて希少で高価だったということはあまり知られていません。話をすると大抵の人は驚きます。小ネタに使ってみたらいいかもしれません。