CD-RやDVD-Rは永久にデータを保持できるわけではありません。数年で使用不能になってしまうこともあります。
記録型光学メディアは保管方法によって耐久性が大きく左右されます。メディアの特性を知ることで長期保存することも可能です。
目次
CD-Rは紫外線に弱い
CD-RやDVD-R(以降はCD-Rに統一します)はシアニンやアゾという名前の色素を利用してデータを記録しています。記録面にレーザーを照射して色素を破壊することでデジタルデータとして書き込んでいます。
CD-Rなどにデータを記録することを「焼く」と呼ぶことがあります。実際に焼いているわけではありませんが強力なレーザーで色素を破壊して書き込むことを焼くと比喩しているのです。
記録面の色素に紫外線が当たると色素が退色して徐々に薄れていきます。極端に色素が薄れると書き込まれたデータが読み取り不能になります。
CD-Rのはっきりとした寿命は分からない
記録型光学メディアは種類によって20や30年または50年、100年などの耐用年数がうたわれています。
しかし実際のところ何年持つかは年数がたってみなければわかりません。100年持つとうたわれたメディアでも保存状態が悪ければ数年で読み取り不能になってしまうこともあります。メディアが何年持つかは誰にも分からないのです。
CD-Rを長持ちさせる方法
CD-Rを長期保管する方法は劣化する要素を排除することです。
・紫外線
・高温・多湿
・レーベル面の破損
・低品質なメディア
紫外線に当たらないように注意
・日光と蛍光灯を避ける
・光が当たらない場所に保管
紫外線はCD-Rの天敵です。日光には強力な紫外線が含まれていて色素を劣化させます。直射日光ではなく屋外から差し込む光も劣化の原因になります。
蛍光灯からも紫外線が発せられています。微弱ですが長期間に渡って照射されれば悪影響があります。できるだけ蛍光灯の光が当たらないように配慮が必要です。
可能な限り光を通さない場所で保管する必要があります。
高温多湿を避けて涼しい場所で保管
・涼しい場所で保管
高温多湿はがディスクの劣化の原因になります。
高温の環境はCD-Rの色素を劣化させます。湿度は反射層のアルミを腐食させる原因になります。ディスクの素材であるポリカーボネートは空気中の水分でも加水分解を起こして劣化します。
高温多湿な環境はディスクにとって最悪といえます。なるべく涼しい場所で保管する必要があります。
レーベル面に注意してプラケースに保管
・レーベル面に傷をつけない
・プラケースに保管
CD-Rは構造上レーベル面が破損すると記録面もダメージを受けます。レーベル面が傷ついたり剥がれたりしないように注意が必要です。
通常は手荒に扱わなければ大丈夫です。厳密に保管するなら不織布のようなディスクに触れるケースではなくプラケースに収納しましょう。
低品質なメディアを避ける
低品質なメディアは短期間で使用不能になるリスクがあります。特に低価格な外国製品は注意が必要です。外国製だから悪いとは限りませんが基本的に価格と品質は比例します。
できるだけ信頼の高い日本メーカー製を選びましょう。
長期保存はビニール袋に入れると効果的?
個人的にはCD-Rディスクでも20年程度は持つことが確認できています。

手持ちの一番古いCD-Rです。MR.DATAという台湾製の廉価なメディアです。Windows2000のService Pack3が保存されていました。ファイルのタイムスタンプは2002年なので18年前になります。

当時はCD-Rドライブが普及し始めたころでメディアは高額でした。とりあえず使えればいいので安価な台湾製を使用することがありました。
安物なので使用不能になっていてもおかしくはありませんが現在でも読み取り可能です。書き込み速度はおそらく1倍速です。
ディスクはずっと暗所に保管していました。それ以外にはホコリを防ぐためにビニール袋に入れていました。これが保存状態に影響したかもしれません。
高品質な書き込みが重要
CD-Rは保管方法だけではなく使用するメディアの品質や書き込み速度によっても寿命が左右されます。
高品質なメディアを使用する
基本的に日本メーカー製なら問題ありません。しかし有名ブランドだからといって必ずしも高品質とは限りません。以前は高品質だったものが質が下がったというケースもあります。最新の製品だから高品質というわけでもありません。
実際のところどんな製品でも使ってみるまでは分かりません。ネットで評価を調べるなどして情報を集める必要があります。
2~8倍速で書き込む
ディスクは書き込み時にわずかなエラーが発生している場合があります。エラー訂正機能が働いているため問題なく使えるのです。高速で書き込むと大量にエラーが発生する場合があります。
適切な速度で書き込みをすることでメディアのエラーを抑えることができます。エラーが少なければ後々に読み取り不能になるリクスを下げることができます。
パッケージに表記されている対応速度なら問題ないように思えますが高速書き込みは注意が必要です。
とはいえ低速ならいいとは限りません。メディアに使用されている色素によって適切な書き込み速度が変わってきます。実際にやってみないとわかりません。
一般的には2~8倍速で書き込むのが無難です。速すぎず遅すぎずというのがポイントです。
おわりに
CD-Rなど記録型光学メディアの耐久性は実際のところはっきりしません。仕様上の耐久年数は参考程度です。使用するドライブやメディア、保存環境に左右されるからです。
保存状態さえ良ければ10年や20年は持たせることができます。