TLCのフラッシュメモリを搭載したSSDが一般的になりました。
TLCタイプのSSDは2015年末ごろから本格的に市場に出回り始めました。それから3年が経過しています。
TLCがデータを保持できるのは数年です。データが書き込まれてから3年もたっていれば消えるリスクが出てきます。2019年はちょうどその時期なのです。
SSDはデータ保持に期限がある
SSDに使用されているフラッシュメモリは不揮発性メモリと呼ばれています。データの保持に電源を必要とせず、長期間データを保持することが可能です。
しかし厳密には電子を利用してデータを保持しています。長期にわたり電子は少しづつ失われていき、最終的にはデータが読み取り不能になります。
フラッシュメモリの種類によりデータを保持できる期間は変わります。低価格で大容量な製品ほどデータ保持期間が短いフラッシュメモリが使用されています。
リフレッシュ機能があれば安全
SSDには様々な信頼性向上の機能が設けられています。そのひとつがリフレッシュ機能です。
SSDにリフレッシュ機能がある場合は、データにアクセスが行われた際に電圧低下を検知して修復されます。データを再書き込みすることでリフレッシュされます。
リフレッシュにより通常は数年で失われるデータが保持されます。
しかし、リフレッシュはすべてのデータに対して行われるわけではありません。アクセスされたデータのみに行われます。リフレッシュが行われないデータが存在する場合はいずれ消えてしまいます。
オートリフレッシュ機能があれば心配なし
リフレッシュ機能をさらに向上させたものがオートリフレッシュ機能です。
通常のリフレッシュ機能とは違い、オートリフレッシュ機能はすべてのデータに対して修復が行われます。
まったくアクセスのないデータでもエラーを検知して修復されます。これによりデータを消失するリスクが大幅に減ります。
オートリフレッシュはバックグラウンドで行われるので、ユーザーが意識することなくデータが保持されます。
しかし、すべての機種にオートリフレッシュ機能が搭載されているわけではないので注意が必要です。
SSDは通電していれば安全というわけではない
SSDに通電していればデータが消えないというのは誤りです。
フラッシュメモリはデータが記録されている領域の電子の量でデータ保持レベルが決まります。電子が満たされていればデータとして存在し、電子が失われていくとデータが消失するのです。
ただ通電しただけでは電子は補充されません。電子が補充されるのはデータの書き込みが行われたときです。
SSDに関する不都合な情報はあまり知られていない
SSDでよく語られるのは書き換え回数による耐久性です。ネットを検索すればそういった情報がいくつもヒットします。
SSDの書き換え回数はテストにより高い耐久性を持っていることがわかります。
しかし、データ保持期間に関してはあまり情報がありません。実際に時間が経過してみなければわからないので仕方のないことではあります。
しかし、データが消えて困るのはユーザーです。
リフレッシュ機能ががあってもデータが消失するリスクはあります。オートリフレッシュ機能があっても長期間放置すればデータが失われる可能性があります。メーカーはこういった情報を積極的に公開しません。
SSDやUSBメモリのデータが3年から5年で消えると知られたら、信頼性に疑問を持たれます。ユーザーはきっと購入を躊躇するでしょう。
リスクを知らずにSSDを使用していれば、いつかデータを消失する可能性があります。そうならないためにも特性やリスクを知っておく必要があります。