食べ方が汚い人がいますね。彼らはクチャラーと呼ばれています。
子供ならともかく、いい歳した大人がクチャクチャと音を立てながら食事をしています。当人はまるで気にしている様子がありません。
中には芸能人でクチャラーな方がいて、食べる姿が見苦しいと批判されています。人一倍他人の目を気にするはずの芸能人が、食べ方には無頓着というのは奇妙な話です。
クチャラーは指摘されてもなにが悪いのか理解できないといいます。なぜ理解できないのでしょうか。
クチャラーは無自覚
食べ方が汚い人は、自分が見苦しい行為をしているとは認識できません。当人が認識不能なことを指摘されても分かりようがないのです。
なぜクチャラーは自分の食べ方が汚いと気づかないのでしょうか。
彼らは自身を客観視する能力に欠けています。そのため、自分がどんな行動をとっているのかということが分からないのです。
自分を客観視する能力を「メタ認知能力」といいます。
人間が他の動物と違うのは知能の高さだと考えられています。しかし、決定的な違いはメタ認知能力の有無です。
たとえネズミが人間を超える知能を持ったとしても、メタ認知能力がなければ人間を超えたことにはなりません。
人間だからといってメタ認知能力が高いとは限りません。知能と同様に個人差があり、高い人と低い人が存在します。
人間でメタ認知能力が最も低いのは赤ん坊です。
赤ん坊は泣こうがわめこうが本能のおもむくままに行動します。自分がどんな行動をとっているかという自覚はありません。
赤ん坊はいつまでも赤ん坊でいるわけではありません。成長するに従い社会性を身に付けていきます。それに伴いメタ認知能力も上がっていきます。
ところが、メタ認知能力があまり上がらないまま成長する人がいます。そういう人は自身を客観視する能力に欠けています。そうなると無神経で無頓着な行動が目立つようになります。
そして、メタ認知能力が低いと食べ方が汚くなる傾向があります。無神経で無頓着なのですから当然ともいえます。
一事が万事
食べ方が汚いというだけで、その人のメタ認知能力の低さが露呈します。
メタ認知能力が低いとあらゆる行動に影響を及ぼします。無神経で無頓着な行動が目立ち、周囲の人間を不快にさせます。
まさに一事が万事です。食べ方を見るだけでその人の本質まで分かってしまうのです。