SNSのデザインはたびたびリニューアルされます。しかしいいことばかりとは限りません。ことあるごとに改悪されるからです。
慣れの問題だという意見もあります。確かにどんなUIでも使っているうちに慣れていきます。
しかしあくまで慣れたに過ぎません。使いやすいかどうかは別の話です。
なぜUIは改悪されてしまうのか
多くのSNSはリニューアルされるたびに使い勝手が悪くなっていきます。なぜそれほど改悪されてしまうのでしょうか。デザインセンスの問題なのでしょうか。
確かにデザインの問題もあるでしょう。しかしそれだけではありません。
完成したデザインをいじると劣化する
以前に素人が壁画の修復をして無惨な状態になってしまったというニュースが話題になりました。技術のない人間が手を加えることで壁画は破損してしまったのです。なにもしないほうがマシでした。
たとえ専門家が行ったとしても限りなくオリジナルの状態に近づくだけです。余計な手を加えれば失敗と同じです。
UIも同じです。
どんなUIでも改良を続ければいつかは完成に達します。一旦完成レベルに達したものはそれ以上にはなりません。どんなにリニューアルをくり返してもアップグレードされるわけではありません。むしろ修復に失敗した壁画のように悲惨な状態になってしまうのです。
UIの改悪という愚行が止まらない理由
なぜUIの改悪は止まらないのでしょうか。
センスのない無能がのさばっているからです。
まさに無能な働き者です。無能な働き者は分かりやすい成果を好みます。たとえ意味もなく穴を掘るような作業でも仕事をした気分になることはできます。UIの変更は恰好のターゲットです。
その結果、ひどいデザインのサイトが乱立するようになりました。
あらゆるUIは劣化していく
SNSに限らずあらゆるUIは劣化していく傾向にあります。ソフトウェアもバージョンアップにつれて余計なデザインが追加されていきます。
当然といえば当然です。基本的なUIはとっくの昔に完成しているからです。たとえ野暮ったくても完成したものはそれ以上にはなりません。
もし新しいUIを考えつくことができる人間がいたらそれは天才です。凡人やただのエンジニアには不可能です。
できないならなにもしないほうがマシなのです。
おわりに
ビジネスとしては目新しさを演出することは重要かもしれません。しかし本当にデザインのことを考えるならなにもしないほうがいいことは多々あります。
サービスを運営する人間は必要とされる以上のことはなにもしないという自制心が必要なのではないでしょうか。